2021年初戦となった4月「東建ホームメイトカップ」から次週「日本ツアー選手権」まで8連戦となる国内男子ツアー。当初はオープンウィークを挟むスケジュールも視野に入れていたが、「全米オープンに行きたい気持ちがあった。試合を通してしか得られないゲームのコントロール、成長できない部分をギリギリまで勉強して最終予選に生かせればと思っていた」。6連戦を経て狙い通りに大舞台への挑戦権をつかんだ。 過去3戦は上位争いのチャンスも増え、「いままでのプロ生活の中でも一番いい状態でやれているというのはある」とうなずくフィジカルに、フィーリングがマッチしてきた感も出てきた。それでも、スイング面にはシビアな目を向ける。 前週最終日は出だし1番の2打目で右の林から直ドラで大きくスライスをかけ、グリーン近くへ運ぶ妙技を披露。状況に応じたプレー選択でスコアメークに徹する一方、理想のスイング追求に妥協は許さない。「上位でやれているときも、スイングに関して油断しちゃいけない。自分のゴルフを長い目で見られるかどうかが必要なこと。自分に対して甘くならないように」と言った。 上位2人には7月「全英オープン」(イングランド・ロイヤルセントジョージズGC)出場権が与えられる一戦。足元を見つめた積み重ねが、一週間で2枚目となるメジャー切符獲得のチャンスを広げていく。(岡山県笠岡市/亀山泰宏) 24日に茨城県のザ・ロイヤルGCで行われた全米オープン予選会をトップで通過し、25日は移動と休みに充てて岡山入り。この日はプロアマで18ホールをプレーした。“全英への道”と銘打つ大会にふさわしく、今週の会場、JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部は点在するコブと深いラフが特徴のリンクスコースだ。 「グリーンのマウンドが大きくて、外側にボールが落ちる作りになっているのと、ティからフェアウェイがはっきり見えない。こんなに全英オープンっぽかったっけ、って感じです」。深いラフと強い風、傾斜の強いグリーンが待つ和製リンクス。プレーするのは2011年以来と10年ぶりだが、当時の成績は3位タイ。「すごく頭を使うコースで楽しみ」と相性も悪くなさそうだ。 取り組んできたスイング改造も、徐々に結果に結びついている。前週の「ゴルフパートナーPRO-AMトーナメント」で4位タイ、全米オープン予選会では単独トップ。「上位でやれているときこそ、スイングも油断しちゃいけない」と気を引き締めつつ、視界に入るのは今季2つ目の海外メジャーへの切符に違いない。 例年なら、出場権が付与されるのは大会上位4名だが、今年はコロナ禍で出場規定がイレギュラーとなったため2名に。「そんなに簡単に行ける話じゃない」としつつも、「世界の舞台に、今の自分のゲームをひっさげて行きたい」と14年以来の全英出場を目指す。月曜は、36ホールの長丁場を勝ち抜いて獲った全米切符。木曜には、144人中トップ2を目指すタフな戦いが幕を開ける。(文・谷口愛純 国内男子ツアーの~全英への道~ミズノオープンは27日、岡山県のJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(7,349ヤード・パー72)を舞台に開幕。上位2名には今年の全英オープン(7月15日~/英国/ロイヤル・セントジョージズGC)の出場権が与えられる。  昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となった今大会。2019年は茨城県のザ・ロイヤル ゴルフクラブで行われ、単独首位で最終日を迎えた池田勇太がそのまま逃げ切ってツアー通算21勝目を手にした。  タイトル防衛を目指す池田、24日行われた全米オープン(6月17~20日/米カリフォルニア州/トリーパインズGC)日本予選会で本戦出場資格を得た石川遼、浅地洋佑をはじめ、時松隆光、今平周吾、片岡尚之、宮本勝昌、岩田寛、谷口徹、藤田寛之、ショーン・ノリス(南ア)らが参戦する